【ドイツ】ドクメンタ14 5年に一度しか開催されないモダンアートの祭典を観に、ドイツのカッセルへ

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前回までのあらすじ:十時間のバスライドを乗り越えやっとこさドイツ中部の町、フランクフルトへたどり着いたあみくず。しかしそこでコンタクトをとっていたカウチサーフィンのホストがあまりにも気持ち悪くて(すまん)逃亡。そこへ幸運にもカウチのオファーをくれたクロアチアのインスタグラマー女子の家へお世話になることに。予定では後日友達の家に行くためにマンハイムへ向かう予定だったがー…?

はじめに説明させていただこう、今回紹介するドクメンタとは、ドイツの町カッセルにて五年に一度開催されるモダンアートの祭典である。

このドクメンタ、もとい現代美術展覧会はナチスドイツ独裁政権下において弾圧されたモダンアートの復興を目指し1955年に第一回目が始まったんだよね

そして今年は14回目。2017年はドクメンタだけでなく、ヴェネツィア・ビエンナーレと10年に一度のミュンスター彫刻プロジェクトが重なるまさにアートな年、らしい (それぞれのアートイベントについてはこちらを参照

あみくずも旅先で出会う人に何回か「ドイツ行くなら今年はカッセル行ったほうがいいよー!今五年に一度のアートの展覧会がやってるから」と勧められて、友達の家に行くのを一日先延ばしにし、カッセル行きを決行。友達、すまん。許してくれ

前日の夜にAirbnbで宿を予約し、(一泊3500円くらい)Flixbusでカッセル行きのバスを予約。別段美術系学生って言うわけでもないけど、モダンアート面白そうだし、五年に一度とかなかなか重ならないからね

ところでこのドクメンタ14、ベネチアの国際現代アート展覧会と違う点は、ベネチアの方が国別のエキシビションなのに対して、ドクメンタの方は毎年テーマが決められており、国を越えてそのテーマに沿ってアーティストの作品が展示されている

今年のテーマは「Learning from Athensアテネから学ぶ」であり、毎年の開催地カッセルのみならずアテネでも展示を行ったそう。さすがに行ってないけど

テーマからご察しの通り、最近のEUの問題やギリシャの財政危機、移民問題などを取り扱っているため、歴史的背景を知らないとただでさえわからないモダンアートなのによりわからなくなります、と言うかなりました (そちらについてはプロがまとめてくれている

ドクメンタ14の公式サイトのアーティストページにて作品についての詳細が載っているんだけど、ネット環境がなかったから現物を観てる時に調べられなかったのが残念。ともかく展示数がたくさんだから気になった作品は作者の名前をメモしておくのを忘れずに。あとで答え合わせに使うからね!

Airbnbで予約したお宅は複数の部屋を貸しているらしく、あみくずが泊まった時はMAX3人いました。桃とパンを食べて、さーてドクってくるぞーと意気込んでいる時、他の利用客のスペイン人のおじさんが現れ、「ドクメンタに行くなら自分も行くから一緒に周る?」と誘っていただいたので、ご好意に甘えさせていただく。車持ってたからめっちゃ周るの楽だった

  • (Airbnbに関してはあみくずのお友達紹介クーポンがあるから利用する人はこちらから予約すると割引になるっぽい。ぜひ!)

彼は英語があんまりできないので強制的にスペイン語で会話することに。ミボイアドクメンタ!(あってる?)

スペイン人のロメロさんは彼自身も彫刻アーティストで今はヨーロッパを旅しているらしい。彼にはご飯を恵んでいただいたり、ジャパニーズ糞SIMロック携帯のせいでBlaBlacarのアカウントが作れないあみくずのために自分のアカウントを貸していただいたりととてつもなくお世話になったので、ここで彼のサイトを紹介しておきます(こちら)こんなくずブログで紹介して何になるんだって話はおいといてね! いや本当にありがとうございました

さて!スペイン人おっちゃんと巡るドクメンタ14

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“Marta Minujín’s The Parthenon of Books”

はい、写真が雑!!!!!!!!!!!

広場の地面を撮りたいのか奥の作品を撮りたいのか全くわからない写真の撮り方ですけれどもー実はこれパルテノン神殿を本で模った作品

メイン会場にデデン!と聳え立っているまさにドクメンタのメインディッシュ

政治的弾圧による作者の迫害、もとい作品の検閲をテーマにしたこの作品は、国や時代を問わず、100,000にも及ぶ禁止されている、または禁止されていた本の寄付を全世界から募り、アーティストは民主主義のモチーフであるギリシャのパルテノン神殿形を本で表したんだよね

まあ禁止されるんだろうなーっていうマルクスの本からあれ?こんなのも禁止されるのっていうアリスインワンダーランドまで幅広いジャンルの本が埋め込まれているよ

使われた本のリストも公式ページにあるからきになる人はググってね

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土管の中に色々な部屋がいっぱい

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(手前のお兄さんが雰囲気イケメンだった)

いやもうほんと会場がカッセルの街全体に広がってるし、展示物が多すぎて一日では周れない

ドクメンタも美術ではなく政治色が強いから正直、展示を見て周る身体的疲労と考えるための脳みそ的疲労がダブルで襲ってくる

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これとか意味わからなさすぎて笑ってしまった。

シャケが串刺しにされてパクパクしているのをずっと流している動画

本当にわからない

おっちゃんと私、展示物をじっくり見て考えるというよりも、より多くのアートを見る方向にシフトしちゃったせいで、シュールな美術館を散歩した感は拭えないんだけれども、その中でも印象に残ったものを紹介しようと思いましう

Annie Sprinkle and Beth Stephens

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この写真は一番卑猥じゃないやつ

Sex + Ecology =Sexecology テーマに掲げるこのブース

元々はセックスワーカーとかポルノの表現とかをテーマに作品を作ってきた二人だけど、彼らは地球と結婚してからは(!)宗教や言語、政治やセクシュアリティーに縛られない愛の形を作品で模索している。自然もといユニバース自体を性的な視点で見ることで、種の優位化や、性の定義、また個々の身体の区別化に疑問を投げかけている。

アテネ展の方では作者二人がベッドの中で裸で抱き合うっていうパフォーマンスがあったみたいだけど、カッセルの方では二人のこれまでの彫刻や(様々なパンツの像でした)写真、フィルム等が展示されてるよ

主にセックスがテーマだからインパクトが強かったのもあるんだけど、自然と性を合わせて表現するっていうのがすごく画期的に感じた。

他のブースに比べてここだけやけに賑わってたのが印象的。若い男の子グループがウヘヘってなってた。おい!!!!!アートやからな!!!!ポルノちゃうで!!!!(ブーメラン)

さて次行こう次ィ

Roee Rosen’s The Dust Channel, 2016

このブースの階に入るのに30分くらい並んだ。なんでなのかは知らない

イスラエルのアーティストRoee Rosenによる23分の動画なんだけど、あみくずが一番眠い状態で暗い部屋に入って見たせいか、やけにトランス状態で見入ってしまったから印象が無駄に深い

内容としてはブルジョア階級の家庭の夫婦がオペラ調にダイソンの掃除機Dyson DC07 Vacuum Cleanerを讃える歌をひたすら歌う (『ダイソン〜めっちゃ吸うッ吸うッ吸引力〜』みたいなセリフをオペラっぽく歌っていただけるとイメージがつかみやすいかと)

協賛がダイソンなのかな?っていうこと以外に全くわからなかったので、ここで公式サイトをみて答え合わせ(と言っても答えさえ思い浮かばない。これのどこがアテネとの繋がりが…?)してやろうではないか

作者Rosenはダイソンの掃除機が吸う「ダスト」を砂と比喩的に関連させ、作中のイスラエルのブルジョワ階級層家庭が映し出す異様なまでの「埃を吸引することに対しての執着心」と「ダイソンに対する変態とも言えるフェティシズム」は近年のゼノフォビア(外国人嫌い、外国人恐怖症)を表現している。メタファーである砂が表すのは、イスラエルの砂漠の中に位置する政治的移民拘留施設Holotであり、またこのHolotとはヘブライ語で砂という意味である

むっず!!!!!!!!!!!!!!!!!!

でも確かにテーマにちゃんと沿ってる納得!!!!!!!!!

こうして答え合わせできるとそれはそれで楽しい。現物を見た時に理解できるのが一番いいんだけど、ほぼ不可能な気がする

翌日偶然同じお宅に泊まってたドクメンタ目当ての美術関係の日本人女性も今年は難しいって言ってたしね。ノリでカッセルきちゃったあみくずにはもっと無理よ

と言ってもちゃんと勉強してきてたらもっと楽しめたんだろうな〜うーむ

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むしろ答え合わせできる作品の方が稀で、多くの展示は写真だけ撮って作者を覚えてないから調べることさえできなかったのだけれども、これがその中の一つ

あみくずでもわかるくらいにテーマをストレートに表してて、わざと子供が書いたような作風に、狂気が滲み出てて怖かった

誰か作者名知ってたら教えてください

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あとこれも作者名わからないんだけど、めっちゃ風刺的なところが好き

写真で見える通り、奥まで行けて、その先には鉄のフレームで風景が縁取られているんだけれど、足場の小さいところに “If you are looking for something, It is not here(君が何か探しているとしたら、ここにはないよ)” って書いてある

その時はとりあえず「???」と思いながらも足場の端っこまで来たのでフレーム内の風景を一応写真で撮るんだけど、撮った後全体をみて理解する。(みんなも考えてみて)

気がついた後ニヤッとしちゃうよね。こういうユーモア好き

まあそんなこんなで慌ただしく周ったドクメンタ14だけど、ミーハーなりには楽しめた気がする。

ちなみにチケット料金は一日券で学生だと半額の15ユーロだから期間内にドイツいる人はカッセルに来てもいいかもね。以上知ったかぶったドクメンタ14レポート編でした

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2件のフィードバック

  1. 2017年8月31日

    […] ドクメンタ14をみるためにカッセルへ寄り道も済み、ついにあみくずヨーロッパツアー最後の目的地である、ドイツのマンハイム在住の友達の場所へ向かう […]

  2. 2018年1月26日

    […] 行き当たりばったりで向かった現代アートフェスティバルのドクメンタ […]

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